Art Journey

【アートジャーニーVol.3】命の逞しさを表現する内倉真一郎の写真の世界

グローバルに活躍する写真家・内倉真一郎との縁は、中学の同級生だったことにはじまっています。ミラギャラリーを立ち上げたいま、こうして内倉を作家としてここに紹介できることを、とても感慨深く、嬉しく思っています。

内倉作品のひとつ「Collection」を鑑賞したのは、2018年に東京都写真美術館で行われていたキヤノン写真新世紀受賞作品展でした。「Collection」の被写体はゴミ。黒い背景に強い存在感で浮かび上がるゴミを通じ、生と死を表現する作品です。いままさに死を迎えるゴミの存在に光をあてる内倉の眼差しの暖かさや情熱を感じると同時に、被写体に迫る力強さには、そこはかとなく生々しさや不気味さを感じました。作品鑑賞の中で癒しや安心を得る体験を多くしてきた私にとって、心地よさだけではない違和感を感じさせてくれる内倉の作品は、世界にはまだまだ面白いアートがあるよと、私をより深遠なアートの世界に誘ってくれたようでした。簡単には理解ができない、奥深さに思いを巡らせ続けることができる作品こそ、アートであると、あらためて思うのです。

作品「十一月の星」は、生を授かったばかりの内倉の長男が被写体になっています。生まれたての赤ん坊が生きようとする命の逞しさと美しさに迫り、対象の内にあるエネルギーにフォーカスしています。我が子の可愛らしさと少し距離を置く、内倉流の表現がユニークです。しかし、必死で泣いたり乳を吸ったり、きょとんとしている赤ん坊の姿は、『人は生まれた瞬間から死に向かっている』という現実的な作品テーマを超越するほどピュアそのもの。眺めていると思わず顔がほころんでしまいます。

作品から内倉の感性の豊かさを知ると、今後もグローバルなフィールドで、より一層多様なものを吸収してくることが期待できます。この夏は中国雲南省大理で開催される 第8回大理国際写真祭 にも出展予定。今後の作品表現もとても楽しみです。

瀬口阿子

広報サポート:友川綾子


以下、 第8回大理国際写真祭の概要です。

■ 展覧会タイトル

2019 第8回大理国際写真祭
2019 Dali International Photography Exhibition
Hai, Dozo!
——日本影像新世代联展
A new generation of Japanese Photographers

■開催期間 2019年8月17日~8月21日

日本から出展する写真家は以下の通り。

■出展作家※五十音順
岩根 愛・内倉 真一郎・小原 一真・千賀 健史・長谷 良樹・細倉 真弓・三保谷 将史・横山 隆平

内倉 真一郎 は、 作品「Collection」と「十一月の星」の計51作品を出展します。

キュレーター:ジョアンナ・フー

■開催場所:中国雲南省大理市 
TEL:+86-871-6833-2882 
HP: http://www.dipephoto.com/list/id/30378/

関連リンク:2019年 第8回大理国際写真祭

宮崎県生まれ。 アートを愛するアートラバーで、MILA Gallery 編集者。イラスト、動画などを制作するクリエイターでもある。 2018年オンラインギャラリーMILA Galleryを立ち上げ、運営を開始する。